2007年04月20日

大小暦板

daishou2.jpg *(写真をクリックすると拡大されます)

 随分と昔に石川県金沢で発掘した「暦板」を、広間に飾り楽しんでいましたところ、上野の国立科学博物館の要請にて昨年10月にお貸し致しました。
 4月16日、本館をリニューアルしての日本館オープンの招待を頂き、真っ先に取り急ぎ展示の状況をのぞきました。1階入って右手第1室に展示され、周囲は天球儀や時計望遠鏡や地震計など、整然と居並ぶ中にあり、極めて小さいながら当館・江戸民具街道の表示もあり、居心地良さそうなところに鎮座し、たくさんの方々に見て頂けそうな模様です。
 上野へお出掛けの折にはご覧頂ければ幸いです。
   Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄


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2007年02月21日

富士越えの龍

fuji ryu.jpg

 江戸期、庶民が愛用した鉄瓶や陶器には、招福の図柄として「富士越えの龍」が好まれ多用されています。
 当館企画展示中の鉄瓶鉄釜の中にも数十点含まれております。それらを集約して図柄を起こしてみました。名付けて『破邪招福富士越えの龍』と申します。
 ご来館の皆様方の、悪しきを払い福を招く願いを込め、時折活用させて頂きます。
   Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄


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2007年02月06日

貴重なるグループに幸あれ

??.jpg オープンして間もなく、立派な豆凧(まめだこ)を持ってご来館された方があり、帰りにプレゼントして下さいました。メリハリの効いたその蝉凧(せみだこ)は、1階広間の小壁に展示させて頂いておりました。
 昨年、当館に収蔵している版木の中に、昔の凧の版木があることが分かり、写真を撮って行かれましたところ、それを元に新しく版を彫って、色彩も昔の資料によって復元され、本年2月3日、ご持参下さり頂戴致しました。実によく出来ており、吊(つり)もご覧のようにしっかりと取り付けられています。
 庶民の古い文化を守り、こつこつと復元伝承している方々は、横浜市戸塚区の角ヶ谷三平氏のグループです。ただただ頭の下がる思いで一杯です。
   Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄



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2007年02月05日

茶運び人形の内部

karakuri.jpg
 此の図は、現代のからくり師「半屋春光」氏の復元した茶運び人形の内部です。
 横浜の出版社から出ている「かながわ風土記」(絵でみる大江戸)のからくり人形うしろの袴をたくし上げ、天符や竹串歯車の脱進機が解加様に描いたものです。
   Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄
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2006年11月09日

日本最古の噴水

 昔、加賀藩・金沢城内の時鐘所(時刻を扱う役所)で使われていた『正時版符天機』(伊能忠敬が測量や天体観測に使った「垂揺球儀」を活かして作られた、日常の時刻が解かる時計)。日本独自の振り子時計である『正時版符天機』で、現在唯一、江戸時代のままに稼働するものを、当館にて収蔵・常設展示している御縁により、石川県人会に入れて頂きました。
 時折、会に参加し勉強させて頂いておりました。今回の横浜の会では、名誉会長として、加賀藩18代に当たる前田利祐(としやす)氏が出席され、スピーチをされました。
 兼六園の話の中で、大切な城の水を確保する為に、石造りの樋(とい)を地中深く埋没して導水路とし、低い所はサイフォンの構造で通水し、確認の為に兼六園の中に水が吹き上がるようにしたものが、日本最古の噴水として現在も残っているというお話でした。
 ヨーロッパでは、自然を征服した象徴として、水をあえて下から上にあげる噴水が庭園に作られたわけですが、日本人は常に自然と共生するという意識を持ち、庭に滝を配し自然を楽しんだわけです。兼六園の噴水はあくまでも実験成功の証であって、噴水といえども、ヨーロッパの噴水とは似て非なるもの、というわけです。
 江戸の水をまかなった1660年の玉川上水よりも、更に古い加賀藩の「辰巳用水」のこの噴水は、日本最古1630年代のものだとの、珍しいお話でした。
   Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄


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2006年10月19日

仙石窯20周年展

kurokawa1.jpg 10月17日、《箱根ガラスの森》のすぐ上の森の中にある、黒川淳氏の仙石窯20周年展に友人沖津氏の案内で参りました。
 大小の穴が透かし彫りにちりばめられた陶器に明かりが入れられ、林の中に点在する姿は、木漏れ日と合いまって幻想的な風情を醸し出している。日没後の何十分かは、夢幻的な変化の妙が見て取れるのではないかと思われたが、夕刻までしばしの間があり、心を残しながら後にしました。
 また、屋内会場にて、ものが弾けるようなピンピンという水琴窟のような美しい音が流されていました。なんと、窯から出された焼物の貫入(浅いひび割れ)の音だそうです。実に澄んだ音色です。幸せを感じる音でした。
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2006年10月18日

「茶酌娘(ちゃしゃくむすめ)」

shaku.jpg 9月12日の「驚くべき茶運び人形出現」では、違った説明を申し上げました為、お詫びしながら修正させて頂きます。
 10月6日の江戸東京博物館での記者発表後、7日8日9日の3日間、一般公開が行われました。
図は衣装をはずした構造部分のスケッチです、やや複雑な感が迫ります。
 3メートル以内では自由に止められるスイッチがあり、茶碗4個まで運びます。従来の茶碗1個のものは、取り上げれば止まりますが、複数ですと移動中は取れませんので、予定の位置で止まり、落ち着いてお客様方に取って頂く。全部お盆に戻しますと、方向をくるりと換えて元に戻ります。
 座敷からくりですが、興行用と思われます。
   Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄



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2006年09月12日

驚くべき茶運び人形出現

chahakobi.jpg 古き良き機械器具発掘の達人、東野進氏(日本からくり研究会理事長)がまたまた驚くべき物を発見した。呼び名も『茶酌娘』という。世にも稀なる「文字書き人形」を150年ぶりにアメリカから里帰りを果たさせ、再び珍品中の珍品を見出す。
 3人分の茶碗を同時に運び、スイッチの入れ方で点々と止まり、3メートルばかり先まで接待し、帰りも集めながら立ち戻る。作者は、かの《からくり儀右衛門》こと田中久重であり、かつて無い機構である。製作時期は「文字書き人形」より前と推定される。
 10月上旬に記者発表が、東京両国は江戸東京博物館にて行われる予定。次回は構造部分のスケッチで報告致しましょう。
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2006年02月06日

酒の器(宴の道具)展

酒の器.gif 2月5日から5月7日まで神奈川県中郡の大磯町郷土資料館において、江戸民具街道所蔵の酒の器(宴の道具)展が開催されます。
 準備が終って改めてよく見ると日頃気にも留めなかったもの達が強烈に目にとびこんできました。
 差樽の中で特に袖樽と呼ばれるお祝い用の組物、その重厚な存在は改めて目を見張ります。脇差しと思われる刀拵えの酒筒は数少ないもので、日本人の遊び心を代表するものでしょう。
 数少ない資料館の中で重要文化財として展示されているものを見た方は改めて驚きを味わうに違いない。どうかご覧頂きたい。
   Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄


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2006年01月30日

ローソクと燭台(その二)

燭台.gif 図は極めて豪華な燭台です。上の輪は灯明皿を乗せるためのものです。従ってローソクを立てる芯の先は、輪より必ず下がっています。
 このレベルでもローソクは貴重であり来客用なのです。
 参考に灯明皿二種を添えてみました。輪に乗せた所を、イメージして見て下さい。
 和ローソクの燭台には、芯つまみと呼ばれるピンセットと、つまんだ芯を入れる芯壷がついています。その内に、芯壷と芯つまみ掛のついた燭台を描き起して報告します。
   Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄



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2006年01月25日

江戸からくりの揃い踏み

東野進.gif 江戸の最高からくりと言われる所の「弓射り童子」二体と、百五十年ぶりにアメリカから里帰りした「文字書き人形」を加え、からくり儀右衛門の最高傑作の三体が、一月十一日、江戸東京博物館にて並びました。
 写真Aは正面から見た所です。写真Bは構造体の一部を外して、からくりのカムと言う操作板の仕掛けを説明されている所です。
 二月五日までは個々に展示はされております。今後二度とないであろう図柄ですので、記念的なものと言えるでしょう。
 文字書き人形の所在を突きとめ、里帰りをさせ、完全修復された東野進先生でなければ、出来得なかった快挙と申せましょう。
            Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄



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2006年01月11日

驚きの文字書人形

からくり.jpg 待望の「夢大からくり展」に正月二日の初日に家内共々参りました。午後二時半からの実演開始には、既に一杯の人々にで、後方からのび上っての見学です。
 一段落のあと、席に座って四時からの実演再開まで、放映ビデオを見学するもただただ驚きでした。
 人形の文字のメインは「寿」であり、松竹梅の三文字が続くようです。二度目の実演でわかったのは、文字の切りかえは何とギヤで切り変わり、一文字三枚のカムと言われる操作板の移動で行われるのです。カムによって引かれる糸が、又単純なものではないようです。
 更に見学質問して、ご報告をいたしましょう。
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2006年01月04日

蝋燭と燭台(その1)

ク1.jpg 古くは奈良時代、中国から輸入された蜜蜂の巣の蝋分にて作られた「密ロウソク」が宮 廷や寺院などで用いられたとあります。
 多く使われたのは、「木蝋燭」(もくろうそく)と呼ばれた漆蝋燭、さらに江戸期に入り急速に生産が進み普及し始めたことろの、ハゼの実の蝋分を集めた「ハゼ蝋燭」などでは、奉書紙を細く丸めたものに灯芯を巻き付けて、これに蝋を塗りつけ徐々に太く仕上げていく。10目掛、30目 掛、百目 掛と目方で表し、百目掛とは百匁(もんめ)の蝋が使われているのです。
 極めて貴重なもので贅沢品であったと申せましょう。(つづく)
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2005年11月30日

馬上提灯 (ばじょうちょうちん)

馬上提灯.jpg
 馬上提灯は、黒漆塗りの木製の柄が鞘(さや)となり、鯨のひげを削った弾力に富んでしなやかな吊り手が仕込まれており、伸縮自在。図の如く固く縒(より)をかけた和紙の紙縒(こより)で編み上げた雨おさえの笠は、漆塗りでしっかりと固められております。
 なかなかの物であり、前後ろに施された家紋が一段と格調を高めているようです。部材のおもしろさ、着想の妙もさることながら、その姿には日本 人の感性の見事さに目を見張る思いです。
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2005年11月28日

文字書き人形

文字書き人形.jpg 江戸の後期1840年から1850年に、からくり儀右門こと田中久重によって作られた、一大傑作の「文字書き人形」が、アメリカにあることが分かり、努力の結果、日本 への里帰りを果たし、日本からくり研究会の東野進氏によって、完全修復がなされ、11月24日江戸東京博物館にて、記者会見として発表されました。
 その精巧な動きは、ただただ驚きです。自ら筆に硯の墨を含ませしごき、名刺よりやや大きめの紙に「寿」と書き上げると、文字板がくるりと回って、皆さんに見えるようになるという、実に見事な動きは、「弓曳き童子」共々、江戸時代の技術水準の高さや日本文化の素晴らしさを証明することでしょう。
 図は私のスケッチです。東野先生の快挙を祝って記念に贈らせて頂いたものです。
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2005年11月21日

ひょうそく(その3)

ひょうそく.jpg
 ある時、親父の話を思い出して、試してみたのでございます。
 秉燭にサラダオイルを注ぎ、灯芯は2本 でした。びっくり致しました。気の面(つら)が良くわかり、特に板目 の質の差が、奥行きをもって味わい深く見えました。
 江戸期、「黄表紙」という洒落本の、墨一色刷りの版画の挿絵が立体的に見え、また、唐桟(とうざん)模様や長火鉢の木目模様が美しく、奉書紙の墨の線もくっきりと見えるのです。現在の本は光ってまことに読みにくい。スイッチを入れ、普段の明かりの下では、全てが平面的であり、先程の生き生きとした瑞々しい味わいは消えました。
 物の状態を良く見て取ることは、明るさだけではなく、明かりの質と対象物の質とによることを悟らせられた驚きは、実に大きく重い。
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2005年11月16日

ひょうそく(その2)

ひょうそく2.jpg 急須形や高杯形、7月に載せた茶碗形は、“たんころ”と呼ばれ、移動や掛行灯に火を移すところの浮世絵にも見られ、時に提灯にも使われたのでございます。ほとんど焼き物です。銘々、油溜りがたっぷりとして、長時間灯すことが出来たので、細工場や掛行灯、灯籠などに重宝したようです。
 中気病み上がりの親父が気ままに言う、ぽつりぽつりの話です。細工場の明かりは、急須形の秉燭です。電灯と違い、心が整いやすかったと申します。小さな灯を見つめ、落ち着いたところで、将棋の駒ぐらいの材料に鉋(かんな)を掛けると、木肌の様子が極めて良くわかるのだそうです。
 奉書紙に墨で描いた型図に当てても、明るくはないけれど不自由はなく、彫り物の凹凸も細部に亘って良く見えたというか、本 当に良く感じ取れたと申すのでございます。(つづく)
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2005年11月14日

ひょうそく(その1)

ひょうそく1.jpg ある年、年神様の棚に、急須を細長くしたようなものの注ぎ口から、火が灯っておったのでございます。初めて目にした物であり、今までよそでも見たことがありません。「何だあれは?」「『ひょうそく』といってなぁ、細かな細工には重宝したもんだ。物置の作業場を片付けたら出てきたので使ってみたのよ!随分めえ(前)の事だから、すっかり忘れていたがなぁ!」 随分前の事とは、大正末から昭和初期のことでして、隣に座る神様のお社である大神宮 さんを組み上げたのを含め、色々な細工に活用していたのです。
 漢字で「秉燭」と書かれます。馴染みの少ない文字ですが、江戸期、庶民の灯火器として、ごく普通に使われたものです。(つづく)
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2005年11月09日

正時版符天機調査結果(その2)

 <調査結果>
正時版.gif 誤差を計算すると、江戸民具街道所蔵のものは、ずれの最大振幅は1.186秒、最小二乗平均誤差は0.570秒という値を得た。これは当時の垂揺球儀が非常に精度をもつ計測器であったことを意味する。また、振り子の重心の長さを2.9p長くすることにより、周期が0.0405秒変化することを測定した。
 さらに、ずれの時間変化をフーリエ変換した。江戸民具街道所蔵のものは250回、500回、1000回のところに周期のピークがみられた。これは1000回に1回転する第2の歯車になんらかの欠陥(少し正方形に近くなっている?)があるためであり、これが完全であると、さらに精度が高くなることが期待される。 富山市科学文化センター
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2005年11月07日

正時版符天機調査結果(その1)

正時版.gif 10月10日に申し上げた結果報告のさしあたっての取りまとめがきましたので報告いたします。
 <調査方法> 江戸民具街道ではGPS,ビデオカメラをそれぞれ2台にし、正時版の表示部分、振り子と温度・湿度表示を別々に撮影した。ハードディスク録画装置も24時間録画できる機種2台を用意した。2台の同期はGPSの時刻でとった。また、温度・湿度が変化しないようにエアコンをできるだけつけ行った。さらに、正時版全体を30秒ごとにデジタルカメラで自動撮影した。
 撮影は最初に2時間ほど振らしてから撮影を始めた。なお、この調査は24時間行う予定であったが、15時間4分43秒後に、重りのひもが切れ、振り子が歯車を回転させる力を失ったので、断念した。その後、重りのひもをつなぎ合わせて、振り子の長さを最も長くして2.5時間の作動テストを行った。(富山市科学文化センター)
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