一日花・酔芙蓉白から淡いピンク、そして紅色へと日に3度、お色直しをする一日花・酔芙蓉(すいふよう)。
四季の花々で地域おこしを進める「あしがら花紀行」の初秋を彩る酔芙蓉が、南足柄市千津島の酔芙蓉農道で咲き出した。
稲穂が黄金色に輝き始めたのどかな田園地帯の中、700株の酔芙蓉と赤と白の芙蓉100株が植えられた「酔芙蓉農道」が、約1`にわたって続く。その中を、県内外から訪れる「歩け歩けの会」の人たちが、花をバックに写真を撮る姿があちらこちらで見られる。
酔芙蓉……越中八尾を舞台にした高橋治『風の盆恋歌』の一節を思い出す。
かつて公社と呼ばれた通信会社に勤めていた20数年前、隆ちゃんと呼ぶ友人と、9月1日から3日間だけのまつり「越中八尾〜おわら風の盆〜」を訪ねた。
車で長野県・松本から標高1790bの安房峠を越えた。岐阜県上宝村を流れる川に湧き出る野天温泉で疲れを癒しながら旅を続けた。
日が落ちた頃、坂の町とも水音の町ともいわれる八尾に着いた。深くかぶった笠に揃いの着物の女たちと、股引姿の男たちが、情感を訴えるような胡弓の音に合わせ、古い街並みを流してくる。踊り手の周りでは、アマチュアカメラマンがシャッターを切っていた。セピア色になった20数年前の思い出だ。 (粒)

