2005年10月26日

吊り灯台(その3)

吊り灯台3.jpg ロータリークラブの会合で、古い灯火具の話を致しましたところ、「うちの蔵でもタンコロを使っていたよ」と反応がありました。そんなことから何気なく「網提灯」の話をしましたところ、相田酒造・相田隆一社長がおっしゃるに、「うちの蔵ではロウソクを使ったことはなかったよ。タンコロをはじめ、油皿を使っていたけど、油皿は直接 手で持つとどうしてもこぼ れやすい。それが吊り灯台で持ち運ぶと驚くほどこぼれることがない。職人衆は油皿を、“ブラ皿、ブラ皿”と呼んでいたよ。」と聞かされ、さもありなんと心得ながら、プロが活用した裏付けが得られ、実に嬉しい思いでございました。
 なお、一瞬、仕事用語につめて“ブラ皿”と呼んだものと理解したものの、吊り灯台の柄(え)と単純ながら自在に動ける受け皿がブラブラすることによって油がこぼ れない事で、“ブラ皿”と言ったのではないかとも思われるのですが。
 余談になりますが、漫画家・清水崑さんの門人でもあり、“木久ちゃん”の愛称で万人に親しまれている落語家・林家木久蔵師匠が描くところの、噺の主人公たちが活躍する『木久蔵流錦絵草紙(にしきえぞうし)』〈1995年出版、リバティ書房〉から、銘酒『知恵袋』のラベルに活用したものがあるのです。江戸の道具類がよく出ている錦絵草紙を、出版時より求め楽しんで見させて頂く飲兵衛の一人として、江戸期の風物や人々の動きを楽しみつつ、銘酒を堪能している日々でございます。
             Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄



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