2日に亘る調査計測も終了し、片付けも一段落をして、今回の概略説明を聞いた後、当館収蔵の、江戸初期からの方位磁石、日時計、コダックNO.2の箱型カメラや、大阪の東野進先生から頂戴した「彎?羅鍼(わんからしん)」などを箸休めにご覧頂きましたところ、富山市科学文化センターの渡辺誠先生、富山大学の市瀬先生のおふた方から、聞かされました。おっしゃるには、伊能忠敬発明の彎カラ羅鍼のガラスが弛んでいたので、締め直す前に分解してみたところ、方位針の裏面が、特殊の焼き入れを示すブルースチールの青が読み取れ、さらにはそれを支える鉄芯の接点に、極小の水晶が嵌め込まれていた。伊能忠敬の師匠、高橋至時(よしとき)と兄弟弟子の間重富と交わされた書簡に書き込まれている工夫の数々を、実証的に確認できました。――とのことでした。予想も付かない心嬉しき思わぬ発見でした。
Antique Museum 江戸民具街道館長 秋澤達雄

