2005年08月31日

小田原提灯(その二)

小田原提灯2.jpg 由来書きから申しますと、『新編相模風土記』(天保12年・1841)の小田原新宿のところに、土産提灯としての説明がわずかにあるだけなのです。
 絵画で見ますと、江戸浮世絵ではしばしば見ることができます。
 極めて似たものに駕籠屋提灯があります。同じ箱提灯であり寸法も同じようでありながら、その作りが頑丈で使い勝手に後先の別があるようです。
 ロウソクを立てる芯の針にも思いもかけない工夫があったり、提灯ともども腰に差して携帯できる竹製の予備ロウソク入れとセットになったものもすくなくはないのです。
 更にはロウソク以外の光源をも利用したり、手に持ち吊り下げてのみ使用できる小田原提灯を、置いても使用できる工夫の物も出て参りまして、懐中電灯が出るまでの進歩活用は、ブリキ製ガンドウと相俟ってなかなか面白いものを感じさせます。
 逐次登場させます。

音声でこの解説を聴くことができます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ7芸術ネットラジオ
posted by yoshi at 06:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月29日

小田原提灯(その一)

小田原提灯1.jpg 小田原提灯には『三徳』が伝えられております。
 まずは『道了尊最乗寺の霊木杉を使って作られた魔除け提灯であり狐狸妖怪を近づけない』とは、実に見事なキャッチフレーズではないでしょうか。何かと不安がつきまとう昔の道中では誠に心強い味方を得た思いではなかったかと偲ばれます。
 次に、丸ヒゴが当たり前の頃、角ヒゴを用いてノリのつく面積を増大し、接着効果を高め、剥げにくく丈夫に仕上げてあるとは、また、なかなかの工夫で着想の妙と申しますか知恵の深さを感じさせられます。
 しんがりは蛇腹でできた筒胴の火袋を押し畳めば、取っ手のついた上蓋の中にすべてがすっぽりと納まってしまう、携帯には誠に便利なる箱提灯、の三点なのです。
 伝えられている説に感想をまぜ簡単にまとめてみました。
 ところが、携帯に便利な提灯の点については、更にコンパクトで手触りも良く、出し入れが滑らかなる伝小田原提灯が色々とあり、箱の天地の材質にも工夫が見られ、「懐提灯」「袂提灯」という言葉が素直に納得できるものが意外にあるものです。

音声でこの解説を聴くことができます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ7芸術ネットラジオ
posted by yoshi at 06:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月26日

金曜コラム

紙ナ居.jpg 紙芝居の里・足柄
 チョーン、チョン、チョン。紙芝居の始まり、はじまり〜
 北は青森から南は鹿児島まで、全国から紙芝居が集まる「第9回全国紙芝居まつり・あしがら大会」が27、28日、足柄山の金太郎で知られる神奈川・足柄の地で開かれる。
 自転車の荷台に舞台を付けた紙芝居屋が、街から街へと巡回した。拍子木の音が響くと、路地のあっちこっちから子供が駆け寄ってくる。水あめやノシイカなどを口に入れながら、紙芝居に見入っていた。昭和30年代まで、日本中どこでも見られた光景だった。
 背中に羽をつけた正義の勇士が、悪逆非道な悪魔を相手に戦う「黄金バット」は子どもたちの英雄だった。
 昭和10年、紙芝居が全盛を迎えた。紙芝居屋は東京だけで約2300人。毎日、約100万人の子どもが、紙芝居を楽しんでいた。昭和28年、全国の紙芝居屋は5万人にもなった。その後、テレビの普及で衰退の道を辿った。
 心の通い合いが生まれない一方通行のテレビやコンピューターゲームに代わり、今、紙芝居が元気に復活している。
 紙芝居の里「あしがら」を全国に発信する大会の成功を祈りたい。        (粒)



1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ7芸術ネットラジオ
posted by yoshi at 05:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 金曜コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月24日

松灯蓋(まっとうがい)

松灯蓋.jpg
 「ヒデ」と呼ぶ、松の切り株で脂分が多い鰹節状の色合いのところを、20a前後に切り、1.5aくらいの太さに割って、2〜3本ずつ焚く。
 土間で藁(わら)を打ち、縄を編み、むしろや俵を作り、秣(まぐさ)を切った。
 同様の働きをする石で出来た「ヒデ鉢」や、松灯蓋の代わりに、穴があいたり割れた鍋を利用したことも多く、夜の作業を「夜なべ仕事」と呼ぶ言葉の一端がうかがえます。
 つきっきりでヒデを継ぎ足すのは、子供たちの役で、眠い目をこすりこすり手伝う、つらい仕事だった。
 鉄製で、高さ29a、幅27a。
 江戸民具街道あかり第1室に展示しております。

音声でこの解説を聴くことができます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ7芸術ネットラジオ
posted by yoshi at 05:51| Comment(0) | TrackBack(1) | 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月22日

スタジオの活力

TV撮影.jpg 8月26日午後8時からの放映となる人気番組『所さん&おすぎの偉大なるトホホ人物伝』に、江戸雑貨マニアとして出演の運びとなり、8月4日最後の収録に、テレビ東京のスタジオに出向きました。
 舞台前面で動き回るそれぞれの、カメラ照明・音響・道具の準備に、せわしく立ち振る舞う姿は、生まれて初めてであるド素人の私の目にも実に好ましく、舞台に居並ぶ方々も、司会のおふたり以外に、博物学の荒俣宏氏や、時代物で活躍している藤岡弘氏、女剣劇で名の通った浅香光代さんなどの顔が見え、こりゃおもしろそうだなと見ていますと、切られ役で有名なタテ師柿辰丸氏が、すごい剣幕で怒鳴り込んで、藤岡氏と切り合いとなり、見る見る引き込まれ、気持ちは舞台の一員になっていました。「秋澤さん、そろそろ時間です、衣装を着けて下さい」と呼び込まれる始末。
 立ち働く数十人の心遣いある動きは、見ている私の心をやわらげ、リラックスしすぎるくらいに和ませられました。
 本番の出来具合は、26日の9時過ぎには否応無しにバレる次第。スタジオには言い得ぬ魔力が潜んでおり、強く引かれるものが有って、驚きを感じています。



1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6芸術ネットラジオ7湘南ネットラジオ
posted by yoshi at 05:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月19日

金曜コラム

防災の日」
bosai.jpg 17日正午前、車から降りようとドアを開けたその時、地面が盛り上がるような感覚に襲われ、車が左右にゆっくりと揺れた。
 南足柄市の防災課に電話を入れた。女性職員が落ち着いた声で「震度3の地震です。防災行政無線から市内全域に自動放送しています」と教えてくれた。
 平成7年1月17日の阪神淡路、昨年10月23日新潟県中越、今年3月福岡県北西、そして宮城県沖と大規模地震続発の日本列島。地震の「空白地帯」といわれる駿河湾や相模湾、首都圏での確率がまた上がった。寝苦しい夏の夜、小松左京の『日本沈没』を思い出した。
 1923年(大正12)9月1日、関東南部を襲い死者・行方不明者14万2800余人、全壊建物12万8000棟という未曾有の被害を出した「関東大震災」の70年周期説は、まもなく82年目を迎える。東海地震や神奈川県西部地震はひっ迫性が叫ばれ、足柄平野の東部に連なる神縄・国府津−松田断層帯は30年以内に最大16%の確率で地震の発生が予測されている。
 9月1日の「防災の日」を前に思う。「災害は時と場所を選ばない」。       (粒)

「市・町は、防災行政無線」でこの様なメッセージを流します。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ7湘南ネットラジオ
posted by yoshi at 06:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 金曜コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月17日

「有明行灯(ありあけあんどん)」(その2)

ariake2.jpg
 休む時には灯芯を一筋にして、台にした鞘(さや)を朱塗り桟(さん)の火袋に被せ覆い、光を押さえます。
 覆いの正面には満月、左右には三日月が、透かし抜きにされたものが普通で、その向きで光の量を更に調整したものです。
 鞘で覆っても、丸窓から十文字の桟を上に上げれば、油の注ぎ足しや火もらいにも不自由はなく、火皿受けは板を丸くくり抜いたもので安定している。江戸中期に姿を現し明治になって板ガラスが出ると、正面の格子戸には、素通しや江戸小紋の柄付ガラスが使われるようになり、大正の終りまで活用されました。
 民具には着想の良い物が多い。中でも、心遣いの深さが強く感じられるずば抜けた発想には、頭が下がります。

音声でこの解説を聴くことができます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ7湘南ネットラジオ
posted by yoshi at 05:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月15日

「有明行灯(ありあけあんどん)」(その1)

ariake1.jpg
 行灯は文字通り、持ち歩いて使われたものです。ローソクを灯す提灯(ちょうちん)が広まると、次第に室内用となっていきました。雅味の響きを持つ「行」「灯」は、唐宋音で「あん」「どん」と読むところから来ています。「行脚(あんぎゃ)」などが思い浮かびます。
 黒塗りの鞘(さや)にすっぽりと乗ってかみ合い、安定します。灯火の位置が高くなり、光が届きやすい。
 手紙などを読むには、正面十文字の桟(さん)のところが上下に開け閉てでき、上に押し上げ裸火にして読みました。程よい高さは実に見事です。

音声でこの解説を聴くことができます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ7湘南ネットラジオ
posted by yoshi at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月12日

金曜コラム

matudayama.jpg 奴とまつり
 夏の夜に輝く「奴さん」が、観光に一役買っています。
 天正18年(1590)豊臣秀吉は小田原の後北条氏を攻め落とし、戦国時代に幕を引きました。
 越後の虎と呼ばれた上杉謙信、風林火山を揚げた武田信玄の包囲に耐え、難攻不落を誇った後北条氏の居城・小田原城は、筆頭家老松田憲秀らが主張する籠城策を取り、敗れました。その後、徳川家康が江戸に幕府を開き、小田原城は春日の局ゆかりの稲葉氏や大久保氏の居城となりました。
 明治初期、神奈川県松田町の延喜式内社・寒田神社に大久保藩の大名行列の赤坂奴振りが伝えられました。毎年、8月末に行われる「まつだ観光まつり」は、小田原藩11万3000石の格式を持つ、奴振りが、町内に時代絵巻を繰り広げます。
 松田商工青年会は松田山中腹(標高150b)の南面にミエツツジの苗木で型どった約20b四方の奴の顔をまつり本番の27日までライトアップしています。
 奴のかけ声「ヒーハァーヒー」と弓、先箱、毛槍、大鳥毛の受け渡しや片足で静止する姿が、目に浮かびます。
 先人が暮らしの中で培ってきた伝統芸能は、大切に守っていきたいものです。    (粒)

まつりの「ヒーハァーヒー」と「掛け声」が聴けます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ
posted by yoshi at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 金曜コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月10日

江戸民具の唄(その2)

edouta2.gif
四、てんてん手毬は 何処行った
  「江戸の道具」や いずこやいずこ
  相模の国の 足柄ごうり
  鷺の舞なる 中井の里に
五、寄り寄りつどうて 大賑わい
  小さな館は 大騒ぎ
  民具街道 通りゃんせ
  此処は命の 遊び場だぁ!

音声でこの解説を聴くことができます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ
posted by yoshi at 06:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月08日

江戸民具の唄(その1)

edouta1.gif
一、心遣いの広さや深さ
  手渡すことは 出来ないけれど
  手に取り 触って 動かして
  あらら不思議な 道具の動き
二、あら たんころの波返し
  ありゃ 油つぎの戻り穴
  自在手燭や 舟燭台
  桶がんどうに 水熊手
三、作る人々 使う人
  知恵寄り集まって 手技も冴えて
  江戸の庶民の 諸道具は
  『思いやり心』の 咲いた花

音声で解説を聴くことができます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ
posted by yoshi at 05:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月05日

金曜コラム

jikokuhyo.jpg ヒョウタンと時刻表
 「瓢箪(ひょうたん)から駒が出る」という諺(ことわざ)があります。
 昭和45年、国鉄職員が、夏の西日よけに御殿場線上大井駅(神奈川県大井町)構内にヒョウタンを植えました。「駅に縁起物のヒョウタンとは珍しい」と話題になり、昭和56年の時刻表の表紙になりました。上大井駅は、「ひょうたん駅」として全国区になりました。
 その年、ひょうたん祭が駅前で始まり、平成7年からは、町の顔・ひょうたん娘の募集も。何代目かのひょうたん娘が、京都のミス○○に選ばれたとか……。会場は中学校グラウンド、町役場周辺へと移りました。
 かつて東海道本線として活躍した御殿場線は、合理化でワンマンカーになり、ヒョウタンの下に人々の笑顔があふれた上大井駅も無人化になりました。
 構内放送も人の喧騒も消えた駅には、長さ1.5bもある大長ヒョウタンや胴回り70〜80a級の大ヒョウタンたちが風に揺れています。
 「いい日旅立ち」の文字が入った時刻表は、夏の風物詩「大井よさこいひょうたん祭」の原点になりました。         (粒)

音声で上大井町駅到着案内が聴けます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!6湘南ネットラジオ
posted by yoshi at 06:48| Comment(0) | TrackBack(3) | 金曜コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月03日

茶運び人形

jizaimon.gif
 皆様おあっつう御座います。いよいよ夏本番の八月となりました。
 今月は茶運び人形でお迎えさせて頂きました。
 この人形は、土曜日の午後、実演しておりますので、ぜひご来館下さい。
 今月も引き続き江戸の灯火を中心に、展示を紹介させて頂きます。

音声でこの解説を聴くことができます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!
posted by yoshi at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月01日

油つぎ(その2)

abura2.jpg
 銅で出来ている油筒です。
 まず注ぎ口を外側に向け、注ぎ足し終わったら、指で注ぎ口をそっと押します。極めて軽やかに内側へと向きを変え、油は自ずから窪みにたれ、入口の穴から元の油溜りに戻ります。
 高さが22.0a、幅は10.3aです。
 職人衆の素晴らしき手技は、無駄を省き危険を防ぐ知恵のみならず、愛くるしい形や、凛とした姿までも見せてくれます。

音声で解説を聴くことができます。


1編集長日記2週刊誌見出しチェック3デパート催し情報4芸術ニュース5キミもサーキットの風になろう!
posted by yoshi at 05:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする