2005年07月29日

金曜コラム

sakawagawa1.gif 開運開成
 神奈川県内で一番小さな町・開成(6.56平方q)は、古民家再生や富士フィルムの研究所誘致に成功し、元気はつらつです。
 町の名前は、中国の書『易経』の「開物成務」(知識を開発し、世の努めを成す)に由来しています。今年2月1日に町制施行50周年を迎えました。
 町の玄関は、昭和60年3月に小田急線68番目の駅として営業を開始した開成駅です。
 昭和49年、北海道帯広市と広尾町を結ぶ国鉄広尾線の「愛国駅から幸福ゆき」切符が大ブームになりました。
 2匹目のドジョウを狙ってかどうか分かりませんが、昭和62年1月1日、小田急は「希望成り 道開けゆく 福の駅」と開成を折り込んだ17文字とダルマの絵が描かれた「開成駅開運入場券」を販売しました。
 水田地帯に咲く紫陽花(あじさい)で知られる開成町は、50歳を記念して、町の花アジサイと開運開成の文字をデザインしたミニ提灯と絵馬を販売しています。「開運開成と書きたる提灯や絵馬有り」。  (粒)

近くの酒匂川の流れの音を聴きながらご覧下さい。


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2005年07月27日

油つぎ(その1)

abura1.jpg
 裏方の道具達は表立って描かれることがありません。これは行灯(あんどん)の油皿に油を注ぎ足すものです。
 陶製です。注ぎ足し終わった油は切れが悪く、のど元にたれ、襟巻状の「油返し」の溝に沿って下り、後ろにある『戻り穴』から、元の油溜りに帰っていきます。勾配がゆるやかなものでも、同じ働きをします。中には、穴の意味がわからずにのど元に開けてしまい、釉薬(うわぐすり)でふさいであるという微笑ましい物も、時にあります。
 大きいほうで高さ15.3a。小さいほうで高さ8.4aあります。

音声でこの解説を聴くことができます。


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2005年07月25日

時代門

jidaimon.jpg
 此れは、江戸民具街道の時代門です。玄関を入った廊下境にあります。
 瘤取爺様が、ひと休みした祠より、ずっと大きいと思われます。
 潜る高さは1b70aあり、私のスケッチです。
 御来館の方々には、この門より入って頂いております。中は異次元、江戸時代に迷い込む。
 これからは月の初めは、ブログもこの門でお迎え致します。

音声でこの解説を聴くことができます。


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2005年07月22日

金曜コラム

kakasi.jpg 案山子
相模湾西部から西丹沢のふもとに広がる足柄平野の米どころ大井町で早くも案山子(かかし)が3体登場しました。
 米づくりを学ぶ大井町立大井小学校の5年生が、毎年夏休みの前日に立てます。
 案山子は、「へのへのもへじ」の顔に、麦わら帽子、ミッキーマウスのシャツを着て、首飾りの代わりに風に揺れるとキラキラと反射し、スズメ脅しにもなるCDなど工夫が凝らされています。
 田んぼの脇には、かつて箱根越えの東海道本線として日本の大動脈の役割を担い、丹那トンネルの開通で一夜にしてローカル線に転落した御殿場線が走っています。
 車窓から身を乗り出すようにして、案山子を眺める旅人の姿が見られます。黄金色の稲穂が、波打つ秋を思い描いているのかも知れません。
 のどかな田園風景と案山子。いつまでも残したい農村文化の原風景です。 (粒)

御殿場線の上大井駅案内の車内放送が聴けます


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2005年07月20日

たんころ(その2)

tankoro2.jpg
 たっぷりとした油溜まりは、火の持ちが良く、長時間灯す「掛行灯(かけあんどん)」や「灯篭(とうろう)」に用いられた。底中央に穴があり、ローソク立てにも活用されました。
 図のたんころは大きめのもので、高さ7.7a幅8.7aです。
 絵は、掛行灯用のたんころを手にした女人図で、作画時期が1804〜1818年の菊川英山の版画です。江戸民具街道あかり第1室に展示してあります。
 マッチもライターも無い江戸期、明かりを灯すには、絵のようにたんころを持ち、経木に硫黄(いおう)が付いた「付け木(つけぎ)」に火を灯しては、ひとつひとつ移していきました。

音声でこの解説を聴くことができます。


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2005年07月18日

たんころ(その1)

tankoro1.jpg
 秉燭(ひょうそく)の一種で、茶碗型のものです。
 親しみを込めて「たんころ」と呼び、極めて広く使われた。
 大小あって、高台の無いものもあります。中央に管(くだ)状の突起があり、灯心を安定して支えた。主として菜種油を使い、古くはエゴマの油が使われ、江戸の中期から綿実油が使われ出した。
 灯明皿では移動に不向きで、たんころは碗型の端が「波返し」になっており、持って歩いてもこぼれにくい点では、まことに大きな驚きです。現代の防波堤波返しの原点です。置いても良く、持ち歩いても良し。

音声でこの解説を聴くことができます。


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2005年07月15日

金曜コラム

yama.jpg
 寝姿山
 神奈川県大井町から見る霊峰富士は、足柄平野を飛び越え、目の前に迫ってきます。
 それに匹敵する大男が、大井町に一瞬だけ出現します。
 太陽が箱根連山に落ち、空がオレンジ色から薄紫へ。そして山肌や幾つかの稜線を消し、1本の曲線を描くと、男の「寝姿山」が現れます。空気の澄んだ冬晴れの日が、シャッターチャンスです。
 関東近県では、なだらかな稜線が女性のふくよかな顔を連想させる伊豆・下田の「寝姿山」(標高196b)が良く知られ、観光スポットにもなっています。
 大井町の相和丘陵地から見る「寝姿山」は、箱根駅伝の無線中継局のある二子山を顔、標高1438bの神山から明神ヶ岳へと連なる稜線は厚い胸と少し太めのお腹、男性のシンボルは金時山。童話の世界の足柄山に似て、おにぎりの形をした矢倉岳はつま先を連想させてくれます。 隣では、日本のシンボル富士山が、見守っています。
 山の活用術は、アイデア1つで広がります。                  (粒)
 
写真=大井町・鈴木高信氏提供)

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2005年07月13日

自在短檠(じざいたんけい)

jizai.jpg
 使い他手により光源を上下に動かし、より有効に利用する為の自在灯台や自在燭台が意外に多いことは、手入れをする度ごとに驚きを感じます。
 図の灯台は、重い欅(ケヤキ)の台座から立つ灯柱の真ん中が透かし彫りに刳(く)りぬかれ、色々な油灯火器を受ける金輪を支えた持ち送りの腕木(うでぎ)が、必要に応じて上下の移動が出来るのです。
 重宝に使いながら、焦がすともなく焦げてしまった模様のような跡、煤(すす)や油が染み込んだ鈍い艶、全くの生活道具でありながら、得も言われぬ風格を醸し出しています。

音声でこの解説を聴くことができます。


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2005年07月11日

雀油盞(すずめかわらけ)

suzume.jpg
 舌付きの灯明皿の縁が、鉄鉢のように立ち上がって、油溜りが十二分となった蓋付きの楽焼灯火器で、ふくら雀の姿に似ているところから、こう呼ばれています。
 前回の利休型短檠に乗せて茶事に使われ、灯心も束にして使用されたようです。蜘蛛手や自在短檠に乗せ替えますと、「雀灯台」と呼ばれることもあります。
 少々の移動には何の問題も無く、たまに灯すと、何となく慈母の温もりが偲ばれると言う人が時にあります。

音声でこの解説を聴くことができます。


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2005年07月08日

金曜コラム

yuuhi.jpg 二つの金
金太郎といえば、おむすびの形をした足柄山が浮かびます。誰でも一度は、絵本で見たことがあるはずです。
 足柄山は矢倉岳や猪鼻岳と呼ばれ、童話の世界に存在します。金太郎ゆかりの山は、金時山(標高1213b)といい、麓の南足柄市地蔵堂には、たいこ石やかぶと石と呼ぶ金太郎の遊び石があります。そして、金時山を源にする「夕日の滝」には、金太郎の産湯伝説が残っています。7月2日、山伏が観光客の安全を願う「滝開き」があり、多くの人で賑わいました。
 夕日に映える美しい姿から名付けられたという滝。「毎年1月半ばに夕日が滝の落ち口に沈む」「日の入りが一番北による夏至の日だけ、夕日が赤く滝壺に映える」など諸説があります。観光シーズンを前に、郷土史家や観光協会、行政を巻き込んだ論争が起きます。
 神奈川県西部には、二宮金次郎と金太郎の2つの金があります。「七夕の夜」、2つの金に地域活性化と観光振興の願いを託しました。                  (粒)

「夕日の滝」生音声34秒間で癒やしの気持ちになって下さい。



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2005年07月07日

今月の解説予定をお知らせします

akari.gif
 今月の解説予定を館長の音声でお知らせしますので、お聴き下さい。



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2005年07月06日

舌付灯明皿

sitatuki.jpg
 油皿の端より少し立ち上げて灯さなければ、燃焼用の酸素が足りず、燃えないのです。より明るくする為に立ち上がり部分を多くしますと、明るくはなるものの、油の吸い上げが多くなり、燃焼しきれずにしずくって、滴り落ちるものですから、受皿が付いて油汚れを防ぎます。
 二重皿の煩わしさを無くしたものがこの図です。
 一見してお解かりの通り、しずくった余分な油は同じ皿の油に戻るだけです。実に見事な発想ではないでしょうか。
 高さ5.5a、径12.0a、当館あかり第1室に展示してあります。


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2005年07月05日

江戸民具街道ご案内(秋澤館長の音声挨拶)

aki.JPG 平素からお引き立てを賜り感謝いたしております。今後ともよろしくお願い申し上げます。下記のレコーダー右側中央をクリックしますと、館長の挨拶が聴くことができますのでお試し下さい。
 〒259-0142 神奈川県足柄上郡中井町久所418 電話0465(81)5339
 一般入館料500円、毎週月曜日休館




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2005年07月04日

陶製碗型風兼用灯台

wangata.jpg
 卓上で1尺強(31.5a)の程よい高さを持つこの灯台は、灯明皿を受ける突き出した3つの部分でも解かりやすいでしょう。
 裸火でなければ読み書きもままならぬ江戸期、明るさに勝る蝋燭(ろうそく)の火は、木の実蝋燭といえども高嶺の花であって、一般的には貴重品でありました。現在の極めて安い西洋ロウソクなどは夢のまた夢です。
 手の込んだボディーの穴の中は物入れで、ロウソクやロウソクを立てる鉄芯が収納されており、長さ9aの四角い鉄芯を、上から差し込むだけで、何と安定した燭台に早変わり。作図や細工に用いられたものでしょうか、その様が浮かび上がるようです。


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2005年07月01日

金曜コラム

ekisha.jpg 小田原評定
 小田原のシンボルは、東京駅の両殿下休憩室に似た貴賓室やツインの洋風切り妻屋根を持ち、関東大震災にも耐えた木造の駅舎と、関東で唯一の天守閣・小田原城だった。
 今、大正期に建てられた歴史的建造物を保存する運動が全国に広がっている。
 6月25日、城下町の風情を残した駅舎が、地盤沈下を指摘される駅周辺の活性化を旗印に、温もりのない駅ビルへと変わった。
 また、関八州に覇を唱えた後北条氏の居城・小田原城に対峙する石垣山の一夜城に代わって、高層マンションの建設計画が持ち上がり、一騒動を巻き起こした。
 行政は、秀吉の小田原攻めならず、マンション攻めにあい、合議制政治の始まりと評価の高い「小田原評定」を延々と繰り返した。が、歴史的遺産の重さを計れない無秩序なまちづくりが、マスコミを通して全国に知れわたった。
 "小田原らしさ"を見出せない(小田原評定)は、時間と税金の無駄遣いだ。    (粒)


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