2005年06月29日

陶製碗型灯台

kiku2.jpg
 織部調の色合いが掛かっており、背丈に大中小の三種類があって、図は、中でも一番背のある高さ29a幅13.5aのものです。
 それぞれに異なった雰囲気を持っており、どんな風に使い分けたものかと、つい空想の世界に引きずり込まれてしまう灯火器です。
 他で見ることの出来にくい物のひとつです。江戸後期の暗さを感じさせます。


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2005年06月27日

若き鋳物師

tetubin.jpg
 5月25日に置いていかれた鋳物作品をスケッチしました。
 背丈9.6a、幅17.0aの小振りな姿は、まことに好ましく両の手に納まる。小風炉か手あぶりか、私なら香炉に使いたいとのたまう人も出る。当分の間、特別展『鉄瓶鉄釜 江戸の味わい』展に参考品として展示してみます。
 地味な伝統工芸技術の若き体得者の、発表の場を提供すると共に、大いにスケッチを描き、若き鋳物師「白巾釜師 中田文(ぶん)君」の存在を広く認識して頂けるよう、お手伝いしていきますのでよろしく。


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2005年06月24日

コラム戻って来ない物(その二) 雷記者発、平成9年5月28日のコラムです。字数の都合でふた口となってしまった。お許しあれ。

koramu2.jpg ▼昔、小田原市板橋に「電力王」「電気の鬼」と呼ばれた松永安左衛門の別荘があった。邸内には、茶室「黄梅庵(おうばいあん)」や国宝「釈迦金棺出現図」など貴重な文化財が沢山あった。しかし、昭和53、54年ごろ、茶室は大阪・堺市へ。釈迦金棺出現図は、京都国立博物館へ流出した。小田原市の貴重な文化財は、それぞれバラバラになってしまった。その後、建物は、市の郷土文化館分館松永記念館として、秋の企画展などが開かれ、"文化の香るまち・小田原"に貢献している。▼子供たちに昔のことを伝えようと全国から集められた江戸民具街道の収蔵品は、貴重な民俗資料だ。行政は、21世紀に何を残さなければならないか考えるべきだ。失った物は二度と戻ってこない。
 只々感謝の気持ちを込め、載せされて戴きました。 秋澤敬白


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2005年06月22日

コラム戻って来ない物(その一) 雷記者発、平成9年5月28日のコラムです。字数の都合でふた口となってしまった。お許しあれ。

koramu1.jpg 日常生活から消え去った行灯(あんどん)や提灯(ちょうちん)など江戸庶民の技と知恵を伝える暮らしの道具を展示する中井町久所の私設民俗資料館・江戸民具街道がこのほど、開館1周年を迎えた▼小田原市前川の自営業・秋澤達雄さんが、集めた灯(あかり)道具、酒の器、錦絵など約1万点を収蔵。朱い壁の廊下の両脇には小部屋が連なる、社員寮を改造した資料館には、約2.000点を常設展示している▼エッセイストの新井恵美子さんは、「近頃はプロの手で作られる美術館や博物館が多い…。この社員寮を利用した手作りの資料館は、面白かった。小さな部屋は6畳間と押し入れであったものを、展示棚に作り替えた。一部屋、一部屋、足を踏み入れる度に新しい出会いが待ち受けている」−とかながわ風土記・「あかりの街道」で江戸民具街道の素晴らしさを書いている。
 只々感謝の気持ちを込め、載せされて戴きました。 秋澤敬白


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2005年06月20日

佐野美術館での木象嵌展

zougan.jpg
 富士を見はるかす山紫水明の三島で活動を展開中の佐野美術館にて、木象嵌の蒐集研究家の金子皓彦先生のコレクション展があり、この土曜日には先生もおみえだとの事を、インターネットの週刊芸術新聞で知り、資料をめくりましたところ、この図が出て参りました。
 平成16年の秋、箱根は小涌園ユネッサンでの寄木細工展で出会った、ヨーロッパ帰りのライティングビューロー(明治期)です。金子先生のコレクションでも大型のものでしょう。背丈が1b85aもあって、寄木とは思えぬ重厚な存在感に打たれてのスケッチです。
 今回もまた、期待通りの傑作の数々に出会え、なかでも椅子のすばらしさを絵に起したい。出来次第お目にかけます。


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2005年06月17日

「矢立」(やたて) その3

yadate3.jpg
 寛政年間、墨壷が小型の印籠風となり、紐で下げ動きのあるものも出て来て、さらにきらびやかな感じとなって、「印籠矢立」と呼ばれました。
 野外での矢立は誠に便利で、ずいぶんと使われたもののようです。古美術や古道具を扱っている店では、たいてい見ることができます。
 元に戻りますが、香炉に流用したものか、初めからそのつもりで細工されたものか、その痕跡を持つやや大振りのものがあります。一般的でないものだから、図に起こして示すこともなく、現物を展示することもなかったので、姿図をご覧頂けないのが心残りです。そのうちにスケッチしてお見せ致します。


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2005年06月15日

奥行の輝くクレマチスの丘

kuremachisu.jpg
 「正午直前の光に立つ像、ヴァンジ彫刻の余白が生きている。斜光の像、たそがれ時の姿が見たい。立ちつくす場所も自由自在、良いポイントがあまりにも多くとまどう。一日かけて奥行の深さを満喫したい」江戸民具街道館長敬白
 あまりの素晴らしさに、スケッチして見ました。三島駅より送迎バスが出ています。是非実物を…。


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2005年06月13日

「矢立」(やたて) その2

yadate2.jpg
 本来、矢立は字の如く、矢を立て並べ背負って戦陣に出向く、箙(えびら)のことでございます。
 鎌倉期に、筆と小さな硯(すずり)と墨用の水をもぐさに浸み込ませ、桧扇(ひおうぎ)形のケースに入れ、矢立に差し込み、野外で必要な時に活用したものですから、「矢立の硯」と呼ばれておりました。
 江戸期に入って、墨汁を入れた墨壷と筆入れの筒が一体となり、腰に差して簡単に使えるものが誕生し、「矢立」と呼ばれます。
 銅と真鍮のものが多いのですが、元禄頃より金銀の細工が加わり、派手な物となって参りました。
 極めて簡単な仕掛けですが、筆筒の中に図の如く、刃物が仕込まれた物も出て参りました。紙を切り筆を整える為ではありますが、思わぬものから現れ出で、使い方によっては、護身にもまた凶器にもなったでしょう。


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2005年06月10日

「矢立」(やたて) その1

yadate
 月初めの墓参りに出た留守に、見てもらいたい物を持って来館されたご婦人の話を家内から聞き、それはたぶん矢立ではないかと言いました。
 小さな茶碗ほどの蓋の付いた、壷のようなものに丸い柄が付き、彫り物がたくさん付いた美しい銅製のものであったと言う。
 大きさから思われるには、本来の目的である腰に差したりして使う携帯用ではなく、文机に置いたり、縁側や庭に立っての書き込みなどに使用されたものではないか、または、床の間の花台に据え、墨壷の中で香を焚いて楽しんだのではなかろうかと、心嬉しき情景が目に浮かびます。
 神奈川県でも300年の歴史を持つ瀬戸屋敷や、今月から始まったあじさい祭で名の通った開成町から来られ、名も所も言わずに帰られたものですから、書いてみました。
 この折に2〜3、矢立のことを書いてみます。



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2005年06月08日

短檠(たんけい)

tankei
 脚の短い灯台を短檠(たんけい)と呼びます。これは台座が箱で灯柱が差し込みとなっています。
 引き抜いて、火皿や行灯皿(あんどんざら)油壷や附属のものを箱に納めると、コンパクトになり持運びには、極めて便利です。
 このような短檠は、利休型と呼ばれています。
 お茶席などでは図の火皿ではなくて、雀かわらけを載せて使います。灯柱の上部にある随円の穴は、長い灯芯を通して後に垂らすもので、皿の油が吸い上がらない高さがとってあります。


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2005年06月07日

「蛍」

hotaru
 当館の数軒先からは、低い山あいの田んぼです。段差のあるその合間に流れるせせらぎは、500bほど先の湧水からの流れです。
 午後8時少し前に、騒ぐ犬を散歩に連れ出し、中村川に注ぐ橋のところまで来ますと、水辺の草むらに光るものが見えました。点滅の様子から蛍であることが解かり、直ちに戻り家内と連れ立って、飛び立たない蛍の光を眺め、隣の奥方にも知らせて、共々にほのぼのとした光を楽しみました。
 2日目8時過ぎに参りますと、さらに多数の点滅が見られ、1匹の舞うところを楽しみました。
 3日目の今日は何と、何十の点滅と共に、数十匹が乱舞しているではありませんか。ご近所の方々と共に呆然と眺め立ち尽くしました。


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2005年06月06日

蜘蛛手(くもで)

kumode
 灯火は、やや高い位置にあると、光の到達具合がよいものですから、50a前後の柱の上に受台を作り、灯明皿を乗せました。
 図の蜘蛛手(くもで)は移動して使うことが多かったものでしょうか。指で持ってハるように見えます。皿のない図から、くもを連想したのでしょう。
 指状の木を合い欠きして、十文字に組みあわせ、彫り込んだ灯柱の頭に差し込み、受皿の曲線に合わせたカーブは、灯明皿を安定して支えた。杉、桧、桐が普通です。
 別に鉄で出来てハる同じ様な目的の蜘蛛手と呼ばれるものもありますが趣が大分違います。行灯の時に紹介します。


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2005年06月02日

正時版符天機(しょうじばんふてんき)

futenki
 江戸時代天体観測に使った天文時計「垂揺球儀」を、加賀藩では、日々の時刻を知る独特の時計に工夫した。長い物語もあるのですがその名を「正時版符天機」という。日本で2台目、現在唯一当時の状態のまま稼動する。文化庁の科学的催しには、必ず出品要請があり、その間の何十日かは留守となる。専門家の研究が今尚引き続いています。
 *解説編は来週から月・水・金の連載となりますので、引き続きご愛読お願いいたします。


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2005年06月01日

おもしろい雷

kaminari
 私の敬愛する、日刊紙神静民報の山田行雄記者が、見事な本を出されました。平成16年末のことです。
 副題「コラムで見る10年足柄その時」で解かる通り、気楽に読める相州足柄地区の時事年鑑とも言えるもので、実におもしろい。題名は『(水脈)雷と昴と』でありますが、何とこれがコラム水脈欄を書く時のペンネームであり、鳴り響かせれば響かせるほど、人々に愛読されたこの雷は、落ちることなく和名抄にもある「昴星」となって、再び輝きだし健筆を振るっています。
 当館に係わるものも何点かあり、おもしろい雷(かみなり)を時折紹介します。ご覧下さい。


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